突然ですが、皆さんはトラウマはありますか?恐らく多くの人は人生で1度はトラウマとなりうる経験をしているのではないかと思います。
筆者は過去に、直近でトラウマとなる経験をしており、療養していた時期がありました。今回は、トラウマとなるストレスとどう向き合い、対処していけばいいのかを、筆者の意見を紹介します。
療養していた視点から、実際に当時の記憶を共有していきますので、今現在悩んでいる人がいたら共感、ご参考になれば幸いです。
トラウマとは?
そもそもトラウマとは何なのでしょうか?
トラウマとは、人の生命に危険を晒す脅威に直面した経験が引き金となり発症する「ストレスによる機能障害」のことを指します。軽度であれば日常の私たちは誰でも経験しています。
中程度以上になると、「適応障害(ストレス障害)」となり、重度のものを「急性ストレス障害」「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」や「解離性障害」などと診断されます。
危機的場面に遭遇した際に、効果的な行動(闘争または逃走反応)が取れない場合に、「トラウマ」を抱えてしまう可能性が高まります。
原因となるストレス要因
本記事では代表的なトラウマの原因となるストレッサーを紹介していきます。
- いじめ・ハラスメント
- 虐待・DV
- 犯罪被害・性被害
劣悪な家庭環境や人間関係から生まれるトラウマの代表例を紹介していきます。
いじめ・ハラスメント
教育機関や会社組織などの集団環境で発生するいじめやハラスメントですが、一定以上、精神的なダメージを受けることで、トラウマとなってしまうことがあります。トラウマはいじめやハラスメントを受けた環境を変えても、解決することではありません。
実際に筆者も、会社組織で適応障害を経験した際には、退職しても上司や同僚の叱責や攻撃的な言葉がフラッシュバックされ、憂鬱な気分になってしまっていた時期があります。
虐待・DV
童虐待は、親や周囲の大人から子供や児童に、暴力・性的加害などの身体的攻撃、育児放棄・不適切な扱いなどの精神的攻撃を与えることで、子供や児童に様々な問題が生じることを指します。
虐待には主に身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトの4つの種類があります。
ドメスティックバイオレンスは、配偶者間暴力のことを指し、DVと略されることもあります。家庭内暴力といわれることもありますが、親密な関係にある男女の間で発生する暴力も含まれます。男性から女性にふるわれるケースが多いですが、逆の場合もドメスティックバイオレンスと呼ばれます。
ドメスティックバイオレンスにおける暴力とは身体的暴力、心理的暴力、性的強要、経済的圧迫などあらゆる形での侵害を含みます。
犯罪被害・性被害
犯罪によるトラウマやPTSDの共通点としては、周囲や法曹関係者に影響され、自身にさらなる罪悪感を持ってしまう可能性があることです。特に、性被害に関しては、女性のプライバシーに関与する要素が大きいので、支援者は慎重な対応が求められます。
トラウマの克服法
トラウマの克服法について、段階ごとに紹介していきます。
- 正しいトラウマ体験の理解
- 安心できる環境を作る
- 治療(カウンセリング)を受ける
- トラウマ思い出す・話す
回復過程は主に3段階に分類され、第1段階には、「安全の確立」第2段階には、「トラウマの想起」第3段階には「記憶の再結合」という流れがあります。1つ1つの要素を紹介していきます。
正しいトラウマ体験の理解
トラウマ克服の初歩として、患者自身がトラウマを理解することが重要です。トラウマの症状や原因、メカニズムを正しく理解することで、不必要な自己嫌悪や、自責感から逃れることにつながります。
今起こっていることは「症状」であることをメタ認知することが改善への一歩となります。
安心できる環境を作る
トラウマを解決するには、環境要因を変えることも大きな要素の一つです。心理的なアプローチや、薬物療法なども有効ですが、環境に原因がある場合は、治療を受けながら、環境要因を変える努力をしていきましょう。
また、トラウマを抱えている人は罪悪感や、自己肯定感の低下につながる言動を受け止めていることがあります。
しかしこれら言動は事実ではなく、外部のストレスによりもたらされたものです。つまりあなた自身ではないということです。ですので「自分は大丈夫、自分に問題はなかった」と認識することが重要です。
治療(カウンセリング)を受ける
トラウマに対する心理的アプローチには様々な方法があります。ボディワーク、FAP療法、暴露療法などがあり、自分に合った最適な治療法を選択していきましょう。
トラウマ思い出す・話す
過去のつらい経験を思い出すことや、経験を語ることはトラウマの解消につながります。思い出し、語ることが安全であるという認知を繰り返していくと、徐々に記憶は感情と結びつき、処理されていきます。
PTSDとは?トラウマとの違い
トラウマとは、強い精神的ストレスが原因で心が深く傷つくことをいいます。PTSDのきっかけになった命に関わるような恐ろしい体験のことを「トラウマ体験」といいます。
トラウマ体験をすると、体験がフラッシュバックになって蘇り、不眠や不安感などの症状が出ることがありますが、この症状のことをASDといいます。
ASDの症状は数日~数週間で次第に治まります。症状が1カ月以上続くとPTSDになり、心の痛みやショックから抜け出せない状態になってしまいます。
PTSDの治療法
PTSDの治療法として心理療法・集団療法・薬物療法などがあります。心理療法は認知行動療法(暴露療法)や再処理法などがあげられます。
症状の特徴や原因を踏まえた上で最適な治療を選択していきましょう。
回復までのメカニズムを理解し、最適な治療を受けましょう
トラウマ・PTSDに今回はフォーカスを当ててきました。回復までには個人差があり、回復期間を設けることはあまりおすすめできません。
自分と向き合い、自己認知を改善していくには、トラウマ体験を想起し、良い方向へと昇華させていく過程が重要です。時間をかけてケアしていきましょう。
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