昨今では、メンタルヘルスも不調を抱える人が増えてきている社会に徐々に注目が集まっています。
その中でも「適応障害」は、誰もが罹患する可能性があります。民間企業の労働環境は、千差万別で、特にベンチャー・スタートアップにおいては、ハードな労働環境である場合が多いです。
いわゆる「ブラックな環境」の中で、自分の身をいかに守るか、どのようにメンタルコントロールをしていくかが問われる時代となっています。筆者は過去に、「適応障害」と診断を受け、休職をした経験があります。今回は筆者の体験談も踏まえて、適応障害について解説します。少しでも参考になればと思い、本記事を執筆します。
適応障害の定義
適応障害の定義を以下に紹介します。
日常生活の中で、何らかのストレスが原因となって心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じたもの。原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態をいう。
引用元:e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-041.html)
定義は上記となります。適応障害の原因はさまざまであることから、一昔前は、「サボっていたのではないか?」などネガティブに上司や同僚から責められることも多かったのではないでしょうか。
メンタルに不調を感じてきている方は、一度客観的に自分を見つめ直す時間を作り、今の自分と過去の自分を比較してみることが大切です。
前兆となる要注意ポイント
私自身、適応障害と診断された当時を振り返ると、「今までできていたことができなくなってしまう」感覚に襲われていました。具体的に以下の事ができなくなるまたは、ミスの回数が増えていきました。
仕事
- 報連相が少なくなる
- 日本語を間違える回数が増える(書き言葉、話し言葉)
- タスク期限を守れなくなる
- 起床できなくなる
- 見えない不安や焦りで、常に緊張状態が続く
プライベート
- 人と会いたくなくなる
- 入浴を避けてしまう
- 眠れない日々が多くなる
仕事とプライベートで上記のようなことが発生しがちでした。共通点をあげると、思考と感情の制御やコントロールができなくなってしまう状態に陥っていました。
身体的症状
身体的症状としては、「慢性的頭痛/めまい・手の震え」この2つの症状が出てくると、黄色信号かなと思います。(自身の体験より)
この2つの症状は、明らかに適応障害の身体的症状であり、仕事にも支障をきたすレベルです。筆者の場合は、症状に悩まされても、しばらくの間、仕事を続けていました。
精神的症状
精神的症状としては「抑うつ」が象徴的かと思います。特に休日に気分があがらない、行動できない(家事なども含む)1日中寝込んでしまうなどの状態は危険です。
筆者の場合は、休日にも仕事をする場合が多く、仕事とプライベートの切り替えが上手くできない期間があり、振り返るとよくなかった習慣でした。
対処法
対処法としては、以下3点あります。
- 有給休暇を使う
- 1on1ミーティングで上司に相談
- 病院・クリニックへ行く
一人で抱え込まないことが重要です。家族や友人に相談する時間をまずは確保することが、改善に向けての第一歩になると思います。対処法の詳細を以下に紹介していきます。
有給休暇を使う
「逃げる」ということも立派な手段の一つです。あなたが企業の一社員の場合は、明日から休んでも会社は潰れたりはしませんので、勇気を持って、会社に有給連絡してみてください。
1on1で上司に相談
IT企業を中心に、最近は上司との1on1が設置されているかと思います。この時間で、上司に仕事面での相談や、自分の精神状態の共有をしましょう。自分の身を守るためには、同じ仕事をする人間に共有することが、メンタルヘルス改善に向けて、必要不可欠です。
筆者の場合は、上司に共有していたものの、なかなか自分の意思が伝わらず、仕事のパフォーマンスが明らかに落ちてしまっている状態が長期に渡り、続いていました。もっと素早く言葉にすべきであったと後悔しています。
病院・クリニックへ行く
別記事「【休職が決まったら】意外と知らない?正しい休職までの手続きを解説!」でも触れていますが、会社への報告・相談と並行して、精神科への通院をおすすめします。
都内であれば、精神科・心療内科は複数あります。公的に情報公開している東京都福祉保健局登録の医療機関は、適応障害の対応有無が記載されていますので、参考にしてみてください。
「辛い・苦しい」を抱え込まないように心がけましょう
人生、「山あり、谷あり」です。辛い時、苦しい時があります。しかしながら、あなたは一人ではありません。必ず相談できる人が近くにいます。プライドや恥ずかしさを捨てて、助けを求めることを最優先で考えてみてください。
適応障害は、長期化すると悪化してしまい、うつ病に発展するリスクや、回復までに長い時間がかかってしまうこともあります。ですので、長期で考えた時に、特に若い世代の方は、今助けを求めるべきなのです。
本記事を読んでみて、やや体験ベースの話となりましたが少しでも参考となれば幸いです。
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