2024年のNPBは、セリーグ優勝は巨人、パリーグ優勝はソフトバンクとなりましたが、日本シリーズはセ3位の横浜DeNAベイスターズが制し、日本一を勝ち取りました。
筆者は、DeNAファンということもあり、毎試合TVに釘付けで応援していました。2024年のDeNAはレギュラーシーズンの試合で雨天中止が多く、シーズン終了後、ほぼ休みなくポストシーズンに入りました。しかしながら、ポストシーズンでは、全くの別チームのようなパフォーマンスで、CS5連勝で日本シリーズに勝ち上がりました。
本記事では、DeNAが日本一を勝ち取った要因を解説。2025年シーズンの展望も交えつつ、NPBを楽しむヒントを紹介します。
【結果の総評】レギュラーシーズン
2024年のNPBのレギュラーシーズン、DeNAの戦績は3位で71勝69敗3分、勝率.507(首位巨人と8ゲーム差)という結果でした。
前半戦は、開幕から好調を維持し、6月末時点で2位に位置していました。特にエースの東克樹投手が開幕から8連勝を記録し、チームを牽引しました。しかし、7月に入ると9連敗を喫し、順位を4位まで落としました。この連敗により、首位争いから大きく後退しました。夏以降は、山本の骨折離脱や広島の失速も相まって、どうにか3位でクライマックスシリーズ進出を決めました。
レギュラーシーズン全体を振り返ると、攻撃陣はセントラルリーグでは、打率、得点がトップであった一方で、失点がチーム5位、失策数は96と大差で6位(1位巨人は58)となっており、点は取れど、失点も多い印象が残っています。
クライマックスシリーズでの勝利できた要因
ここからは、クライマックスシリーズで勝利できた要因をいくつか挙げて解説します。
ベテラン勢の活躍
桑原、戸柱などのレギュラーシーズンでスタメンが少なかったベテラン勢の活躍が目立ちました。桑原は、リードオフマンとしての打撃はもちろん、守備面でも安定していました。また、バントのサインが出たら確実に決めるところも評価できます。
戸柱は、山本のいない中でクライマックスシリーズは全試合でスタメンとなりましたが、保守リードが抜群に良かったです。戸柱のリードが優れているが故に、失点を抑えたと思えるピンチが幾度となくありました。
リリーフ陣の躍動
リリーフ陣もレギュラーシーズンと異なり、山崎以外は、リリーフで失点していない見事な内容でした。下剋上できた要因として、最も大きい影響を与えたと振り返っています。戸柱のリードも考えられますが、各ピッチャーが伸び伸びと投げているのが印象的でした。
緊密なコミュニケーション
日本シリーズにて、ソフトバンク相手にホームで連敗を喫した後、桑原を中心に選手ミーティングを行ったのも、その後の4連勝につながったと考えています。悪い流れを断ち切り、再度ゼロベースで試合と向き合うきっかけとなったと思います。
日本シリーズの最中に一度、チームの対話を持つ機会を作るのは中々できることではありません。各選手の意識を再度、チームとして機能させるためのコミュニケーションを図ることで、攻守ともに一体感が増しました。
また、DeNAのブルペン陣の日頃の雰囲気作りも山崎康晃が中心となり、孤独を感じさせないブルペンを作り上げていました。
さらに、山崎の発案でリリーフ陣がブルペンで準備をする前に、ベンチにいることで、野手陣の1点を取りに行く姿や、必死に点をもぎ取る瞬間を目に焼き付け、自分たちのエネルギーへと還元していました。このような取り組みが、ポストシーズンにおけるリリーフ陣好調の要因となったことは間違いないでしょう。
下剋上達成から考える「勝負強さ」とは?

レギュラーシーズン3位から、クライマックスシリーズ、日本シリーズを制し、下剋上を達成した「勝負強さ」とは何なのか?筆者が重要であると考えるポイントは、「先入観を持たない(外す)」ことです。
過去に負けている、失敗しているイメージから、次も上手くいかないという先入観を外し、ある意味、心を無にしてプレーできるかというのが肝であると考えます。
森敬斗は巨人とのクライマックスシリーズ最終戦で送球エラーを犯し、失点につながりましたが、その後自分の打撃で得点に結び付ける活躍を見せました。普通であれば、萎縮してしまい、打撃にも影響が出そうですが、この試合でのメンタルの保ち方は、素晴らしかったです。
2025年の展望
2025年のDeNAの悲願としては、リーグ優勝になるでしょう。今季から現役選手は以下の選手が加入しています。
▼投手
- トレバー・バウアー
- 浜地真澄
- 岩田将貴
- 笠谷俊介
- 竹田祐
- 篠木健太郎
- 若松尚輝
- 坂口翔颯
- 吉岡暖
- 金渕光希
▼野手
- 三森大貴
- 加藤響
- 田内真翔
- 小針大輝
育成ドラフトまで含めると、投手陣が多いです。現状のDeNAの課題感を物語っている補強といえます。
また、他球団と比べると、現役の新規加入の戦力は乏しいですが、助っ人外国人は5人残留かつ、入江大生や岩田将貴などの若手リリーフ陣や、打撃も期待できる松尾汐恩などを要しており、リーグ優勝に向けて不可欠なピースとなってほしいです。
まとめ
2025年のDeNAは、いよいよリーグ優勝を視野に戦うシーズンです。戦力としても課題は残るものの、申し分ないと考えます。筆者としては、今年は現地観戦も考えているため、DeNA含め、NPB全チームが白熱した試合を展開することを期待しています。