食事が健康に及ぼす影響が大きいことを知っている方は、ほとんどかと思いますが、日々の食生活で○○を積極的に食べている、○○は食べないようにしているなど、実践している方は、多くないでしょう。
現代の食生活は多様化し、食の選択肢が増える一方で、特定の栄養素が不足する「現代型栄養失調」が問題となっています。本記事では、現代人に不足しがちな栄養素とその影響、原因、そして改善策について詳しく解説します。
現代人に不足しがちな栄養素
まず、現代人に不足しがちな栄養素について考えてみます。
ビタミン類
ビタミン類は主に以下の栄養素の不足しがちであることが指摘されています。
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- ビタミンC
- ビタミンD
食生活の多様化に伴って、バランスの良い食生活を心がけていれば、問題なくビタミンは摂取できると思います。しかしながら、菜食主義者やビーガンなどの思想を持つ方にとっては、栄養も偏りがちなになるため、サプリメントなどで、補完できる工夫を凝らしましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や臓器、ホルモン、酵素など、身体の構成要素として重要な役割を果たします。不足すると、筋力低下や免疫力の低下を招いてしまいます。
忙しい現代人は、手軽に摂取できる炭水化物中心の食事や加工食品に頼りがちで、たんぱく質を豊富に含む食品の摂取が不足する傾向があります。また、若年層に目立つのが、過度なダイエットや食事制限。たんぱく質の摂取量が減少するリスクとなります。
たんぱく質は“摂りだめ”ができない栄養素であるため、1日3食の食事で均等に摂取することが推奨されています。特に朝食でのたんぱく質摂取が不足しがちであるため、卵や乳製品、納豆などを取り入れると良いでしょう。
現代型栄養失調の主な原因
現代型栄養失調とは、摂取カロリーは十分であるにもかかわらず、特定の栄養素が不足している状態を指します。
- 食生活の偏り
- 生活習慣の変化
ここでは、上記に挙げられる2つの原因について解説します。
食生活の偏り
現代人の食生活では、ご飯、パン、麺類などの糖質や、揚げ物や脂身の多い肉などの脂質を多く摂取する一方で、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがちです。また、単身者は特に、ラーメンやパスタなどの単品料理や、レトルト食品、ファストフードの利用が増え、栄養バランスが崩れやすくなるリスクがあります。
生活習慣の変化
無理なダイエットや食事制限、朝食の欠食など、生活習慣を変化させることも良くありません。期間や目的を定めて、食習慣を変えることはまだしも、何となくで食事を抜くことは1日の栄養摂取が不足し、栄養バランスが崩れる原因となります。
栄養不足が引き起こす健康問題
栄養不足が引き起こす健康問題には、以下のようなものがあります。
- 疲労感や倦怠感
- 免疫力の低下
- 肌荒れや髪のトラブル
- 貧血
- 情緒不安定やうつ状態
身体的な症状のみならず、心理的側面にも悪影響を及ぼすため、仕事や日々の生活におけるパフォーマンスが下がってしまうでしょう。

【最新】栄養研究を踏まえた理想の食生活
2025年3月に発表されたハーバード大学などの研究によれば、健康的な食生活を維持することで、70歳以降も自立した生活を送る可能性が高まることが示されています。
特に、「代替健康食指数(AHEI)」に基づく食事を実践した人々は、健康的な老後を迎える確率が86%向上し、75歳時点で病気がない可能性が2倍以上高まると報告されています。
AHEIによると、以下の食品群を積極的に摂取することが推奨されています。
- 全粒穀物
- 野菜と果物
- ナッツと豆類
- 健康的な脂肪
上記に対して、赤身肉や加工肉、砂糖入り飲料の摂取は控えることが推奨されています。
これらの結果を踏まえて、主食、主菜、副菜を基本とした日本の食生活指針に組み合わせていくことでバランスの取れた食生活を実現できるでしょう。
参照:Long-term adherence to a healthy diet and healthy aging: a prospective cohort study
まとめ
現代の食生活は、多様化され、個人の意思が自由に反映できます。食を楽しむ期待が膨らむ一方で、健康問題をいかに予防するかという側面も個人の選択に委ねられます。
本記事では、健康な食生活を送るというテーマで、摂るべき栄養素や食べ物などを紹介しましたが、我慢し続ける食生活もストレスが溜まってしまいます。健康志向な食生活を以下に楽しむかという視点を取り入れることが重要といえるでしょう。